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パーキンソン病患者の重さの知覚

著者:Maschke M, Tuite PJ, Krawczewski K, Pickett K, Konczak J.

雑誌:Mov Disord. 2006 Jul;21(7):1013-8.

Abstract

本研究では、パーキンソン病は固有受容感覚、重さの感覚に影響を与えるかどうかを調査した。我々は、10名のパーキンソン病患者と11人の年齢が一致したコントロール群における重力負荷の知覚に対する検出閾値を特定した。幅が異なる2つのスリング(皮膚への低い圧vs高い圧)を使用し、漸増する重さを人差し指に加える方法を適用した。コントロール群において、平均の検出閾値は高圧で31.3g、低圧で33.0gであった。パーキンソン病群は、両方の圧力条件において、コントロール群よりも有意に高い閾値であることが明らかになった(高い圧:平均47.7g;低い圧:平均52.3g;P=0.001)。パーキンソン病患者の閾値に関して、Unified Parkinson's Disease Rating Scale の運動スコア(r = 0.55)は疾患重症度と共に増加する傾向があったが、レボドパの量と有意に相関しなかった。結果は、重さの認識がパーキンソン病の初期段階で、すでに影響を受けている可能性を示唆する。これらの知見は、固有受容感覚や触覚の機能不全がパーキンソン病の共通の特徴であるという根拠となる。

URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16602103

コメント

パーキンソン病患者の重さ知覚が変質していることを報告した論文です。臨床では、パーキンソン患者においても身体の重さを訴える方を経験します。そのような患者さんを理解するヒントになりそうです。

​(文責:川島病院 若月勇輝)

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