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車椅子に心地よく座ってもらうためにできること

車椅子のシーティングの目的について「Raderらは座り心地の改善と長時間の座位、皮膚損傷の防止、自身によるケア能力の改善、限られたエネルギー効率のよい使用と持久性の改善、社会性の改善、QOLの改善、介護の容易さなどを挙げている。特に、不良姿勢は痛みを招きそれが情動不安や興奮などを招くと述べている。」1)この文献は、高齢者のシーティングの必要性や目的、評価方法など、患者一人ひとりに合わせたシーティングの重要性が書かれている。臨床場面においても仙骨座りや体幹が側方に崩れているなどの不良姿勢を目にすることがある。まずは患者の身体評価を行い、車椅子やクッション等の選定をしていくわけだが、その中で患者の体幹機能の評価が特に重要であると感じた。それは、認知神経リハビリテーションを学ぶ上で、行為の機能システムの1つである体幹のどこに変質があるかの評価をすると同時に、シーティングの側面からの両者のアプローチが重要であると感じた。臨床場面では、患者一人ひとりの体格が違う中で限られた車椅子の大きさやクッションしかないことがほとんどである。患者の座位機能が向上することで、少しでも心地よく車椅子に座ってもらいたいと改めて感じた機会となった。

文責 深谷幸広

引用文献 1)「高齢者のシーティング」p.72,廣瀬秀行・木之瀬隆著,三輪書店,2006

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