top of page

片麻痺を治療する[Ⅰ]

体幹-座位、起立、立位のリハビリテーション

著者:宮本省三
発行所:株式会社 協同医書出版社

 最近、臨床において体幹の事が気になっている。
 廊下にすれ違う患者のほとんどが骨盤後傾により車椅子の背もたれにもたれ、非対称な姿勢となっている。訓練場面でも体幹の崩れが大きいほど、座位や立位の姿勢を保持することは困難であり、バランス能力の低下を認め、介助量も多くなっている。また脳卒中の予後予測においても体幹機能が歩行能力予後の重要な要素であり(二木.1982、石神.2001、前田.2001)、体幹機能(FACT)と日常生活(FIM合計)の相関が強い(江連.2009)といった報告がある。
そのような背景もあり、現在はこの本に注目している。

この本はⅡ部構成となっており、「片麻痺の体幹を理解する」「片麻痺の体幹を治療する」から成る。

第Ⅰ部 片麻痺の体幹を理解する
 ここでは、体幹に対してどのような臨床的所見がみられるか、多くの研究者から体幹はどのようなことが述べられているか、どのような体幹へのアプローチがされてきたのか、まだ解決されていない体幹の問題点などがある。特に印象が残ったのは、より客観的な運動分析ができるよう観察のキーポイントが細かく記載されている点である。

第2部 片麻痺の体幹を治療する
 ここでは、体幹の認知神経リハビリテーションについてどのように治療を進めていくのかが述べられている。体幹のシステムの構成要素である「対称機能」「垂直機能」「支持機能」「到達機能」についての説明とどのように機能を捉えアプローチをしていくのか具体的な視点・方法・バリエーションなどが記載されている。

内容自体は実際に手に取って読んで頂きたいので、今回は簡単な紹介とさせて頂く。体幹に注目して勉強していくことは、患者の日常生活能力の改善や自宅への退院を支援していくことに、効率なアプローチへと繋げられると考えた。よって今後勉強会を考えていくことや、同僚やセラピスト仲間と生活動作や姿勢について意見交換する際もこの本で勉強したことを軸にディスカッションすることが有意義であるのではないかと考えている。今回は体幹に興味を持ち一緒に勉強してもらえる仲間を募りたくて、この本を紹介させてもらった。

(文責:進藤隆治)
 

bottom of page