top of page

脳内ネットワークの競合と協調

― デフォルトモードネットワークとワーキングメモリネットワークの相互作用―

著  者:越野英哉(カリフォルニア州立大学),他 

Japanese Psychological Review 2013,Vol. 56, No. 3, 376 -391

【abstract】

In the beginning of modern brain imaging, research focused on localization of specific

functions in the brain. However, as the field advanced, the perspective shifted from the functional localization view to the functional network view, in which researchers started exploring how different brain areas communicate with each other to accomplish certain functions. In recent years, resting-state networks as well as task-related networks began to be identified. These networks may sometimes compete with each other for processing resources, but at other times may work together to perform tasks. Among them, Working Memory Network (WMN) and the Default Mode Network (DMN) are attracting attention, and their functions and relationships are being debated. Here, we discuss competition and collaboration among brain networks, especially between the WMN and DMN.

 

Key words : default mode network, working memory network,brain network, processing resources

 

現代の脳イメージングの研究は、脳内の特定の機能の局在化に焦点を合わせていました。 しかし、その分野が進歩するにつれて、機能的な局在的視点から機能的なネットワーク的視点へと移行し、研究者は、異なる脳領域がどのように互いに関連して特定の機能を達成するかという事を研究するようになりました。 近年、安静時ネットワークおよび課題に関連するネットワークが識別されるようになりました。 これらのネットワークは処理資源を互いに競合することがありますが、ときには課題を実行するために連携して活動することがあります。 その中でも、ワーキングメモリネットワーク(WMN)とデフォルトモードネットワーク(DMN)が注目を集めており、それらの機能と関係について議論されています。 ここでは、特にWMNとDMNの間の、ブレインネットワーク間の競争とコラボレーションについて説明します。

 

キーワード:デフォルトモードネットワーク,ワーキングメモリネットワーク,脳内ネットワーク,処理資源

 

 

【コメント】

我々の脳はネットワークの集合体として成立していると考えられます。しかし、臨床を通して考えていく際には個々のネットワークを考慮しがちで、各ネットワーク間の関係性を考慮した臨床思考を行う機会は少ないように感じます。運動学習を考えていく中で、WMNとDMNの関係性、またSalience Networkとの関係性なども考慮した臨床展開が必要ではないでしょうか。このような神経学的な視点を考慮して、どのような問いかけが重要なのか、その間は適切なのか、など訓練全体の空間をどのように構築すれば良いのか。今一度、考えてみたいと感じました。

(文責 岡崎南病院 理学療法士 首藤康聡)

bottom of page