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筋骨格系と姿勢 -ヒトの姿勢とその変換-

Musculo-Skeletal System and Human Posture -Human Posture and Its Transition

掲載:理学療法学10(3):149-160,1995

著者:高橋利光(川崎リハビリテーション学院)

 

読んでみようと思った理由:

現在、東三河グループでの勉強会ではテーマに「体幹」を上げ勉強会を開催している。今回、体幹垂直機能について調べていた時に読んだ論文である。

 

要旨:

ヒトの姿勢は長い生物進化の変換の末辿り着いた一つの特異な、しかし高度な形態であると言える。形態は通常、周囲の環境から求められる機能に呼吸する形で作られ、ヒトも例外ではない。本文の前半はヒトの姿勢にいたるまでを系統発生学的にふりかえり、生物の精緻な機構と形成とを概観し、後半では主に脊柱の構造と機能の観点から姿勢保持に関して文献的な考察を行った。

キーワード:比較解剖学、直立姿勢、脊柱

 

感想:

体幹の機能システムをみていくと、対称性は他の四足動物などにも有している機能であるといえると思う。しかし、垂直性はヒト特有のものであり、長い歴史(発生学的)の中で環境に適応する為に獲得に至った機能であることを強く印象に残った。しかも現在ヒトは生まれたすぐに2足歩行ができるわけではなく、生後の成長の中で獲得する。改めて思うのはこの体幹の垂直性機能はヒトの文化的な側面や生活背景に強く反映されているとのことだ。体幹の垂直機能を再学習していくことはヒトのQOLの質を考えていく上で大事な要素となってくるのではないかと想いを抱く、きっかけとなった論文であった。

 

文責:進藤 隆治 赤岩病院

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